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Qubes OS
Z

信頼度ランク

S 公式ソース確認済み
A 成功実績多数・失敗例少数
B 賛否両論
C 動作未確認・セキュリティリスク高
Z 個人所感

Qubes OS インストール手順 — ハードウェア確認からセットアップまで

Qubes OSのインストール前のハードウェア互換性確認、USBブートの作成、インストールウィザードの進め方、初期設定までを解説します。

一言結論

Qubes OSのインストールはHCLでハードウェア互換性を確認してから始めることが必須で、特にIntel VT-d(I/O仮想化)の有効化とSecure Bootの無効化を忘れると起動しない。

インストール前の確認

ハードウェア互換リスト(HCL)の確認

すべてのPCがQubes OSに対応しているわけではありません。

https://www.qubes-os.org/hcl/ でお使いのPCモデルを検索してください。

必要なスペック:

項目最低推奨
CPUIntel VT-x/VT-d 対応Intel 第8世代以降
RAM16GB32GB 以上
ストレージ64GB SSD256GB SSD 以上
GPU統合グラフィックス統合グラフィックス

注意: AMD CPU でも動作しますが、Intel の方が互換性が高いです。NVIDIAの外部GPUは問題が起きやすいです。

BIOS/UEFI の設定

インストール前に BIOS/UEFI で以下を有効化:

  • Intel VT-x(仮想化支援機能)
  • Intel VT-d または AMD-Vi(I/O仮想化)
  • Secure Boot: 無効化(Qubes OSはSecure Bootを基本的にサポートしない)

インストールメディアの作成

  1. Qubes OS の公式サイト から ISO をダウンロード
  2. 署名の検証(重要):
# GPG 鍵のインポート
gpg --fetch-keys https://keys.qubes-os.org/keys/qubes-release-4-signing-key.asc

# 署名の検証
gpg --verify Qubes-R4.2-x86_64.iso.asc Qubes-R4.2-x86_64.iso
# "Good signature from Qubes OS Release 4 Signing Key" が出ればOK
  1. USB に書き込み(8GB以上のUSBメモリ):
# Linux/Mac
sudo dd if=Qubes-R4.2-x86_64.iso of=/dev/sdX bs=4M status=progress
# /dev/sdX は正しいデバイス名に変更すること

# Windows
# Rufus や Balena Etcher を使用(ISOモードで書き込む)

インストールウィザード

  1. USBから起動(BIOS Boot MenuでUSBを選択)
  2. Install Qubes OS を選択
  3. 言語・キーボードレイアウトを設定
  4. インストール先のディスクを選択

パーティション設定

自動設定(推奨):

  • /boot: 1GB
  • LUKS(暗号化): 残り全て → LVM
    • /: 20GB
    • /home: 残り

ディスク暗号化は必ず有効にしてください。 これがQubes OSのセキュリティの重要な柱です。

  1. 強力なパスフレーズを設定(16文字以上推奨)
  2. rootパスワードとユーザーアカウントを設定
  3. Begin Installation をクリック

インストールには10〜30分かかります。

初期設定ウィザード(Initial Setup)

インストール完了後、初回起動時に初期設定ウィザードが起動します:

デフォルトのQubeの作成

  • work: 仕事用(Fedora ベース)
  • personal: 個人用(Fedora ベース)
  • untrusted: 信頼できないサイト閲覧用
  • vault: オフライン保管用(ネットワークなし)

テンプレートの選択

  • Fedora(デフォルト): 最もサポートが充実
  • Debian: apt が使いたい場合
  • Whonix: Tor 経由の匿名通信用

sys-usb の設定

USB コントローラーを専用VMで管理します(推奨)。

注意: USBキーボードのみを使っている場合は、sys-usb の設定で入力デバイスを選択する必要があります。誤ると操作不能になるので注意。

初回起動後の確認

# dom0 ターミナルで確認
qubes-hcl-report  # ハードウェア互換性レポート

# 全VMの一覧
qvm-ls

# sys-net が動いているか確認
qvm-check sys-net --running

よくある問題

画面が真っ暗になる

起動オプションに nomodeset を追加してみてください:

Grub メニューで e を押して編集モードに入り、linux で始まる行の末尾に nomodeset を追加。

Wi-Fi が認識されない

プロプライエタリなドライバが必要なWi-Fiカードは動作しないことがあります。対策:

  • USB Wi-Fiアダプター(インテル製品は互換性が高い)を使用
  • 有線LANで接続してからドライバを調べる

まとめ

Qubes OS のインストールは通常の Linux インストールより複雑ですが、手順通りに進めれば完了できます。重要なポイントは:

  1. HCL でハードウェア互換性を事前確認
  2. ISO の署名を必ず検証
  3. ディスク暗号化を有効化
  4. 強力なパスフレーズを設定