信頼度ランク
| S | 公式ソース確認済み |
| A | 成功実績多数・失敗例少数 |
| B | 賛否両論 |
| C | 動作未確認・セキュリティリスク高 |
| Z | 個人所感 |
JetBrains年次レポート2026——Claude Code利用率が1年で6倍増、GitHub Copilotは成長停滞:開発者AIツール採用の実態
JetBrainsが2026年4月27日に公開した年次ハイライトとAIツール調査(n=数万人)は開発者のAIツール採用の急変を示す。90%が常用、Claude Codeの職場利用率は18%と前年比6倍増。GitHub Copilotは認知度76%・利用率29%ながら成長が鈍化。専用AIコーディングツールの採用率は74%に達した。
一言結論
JetBrainsの2026年調査でClaude Codeの職場利用率は18%(前年比約6倍)、認知度は57%に急上昇。GitHub Copilotは依然トップだが認知・利用ともに成長が停滞。AIコーディングアシスタントなど専門ツールの採用率は74%に達し、'AIツールを全く使わない開発者'は実質的少数派になった。
なぜこの調査が重要か
毎年JetBrainsが実施するState of Developer Ecosystemサーベイは、数万人規模の開発者を対象とした業界最大級の実態調査の一つだ。2026年4月27日に公開された年次ハイライトには、AIコーディングツールの採用動向について注目すべきデータが含まれている。
個別ツールの宣伝資料や小規模アンケートとは異なり、JetBrainsの調査は特定ベンダーへのバイアスが低く、実際の職場での利用実態を反映していると見なされている。
大局:AIツールは開発者の「日常装備」になった
2026年1月 JetBrains 調査(速報値):
AIツールを定期的に利用する開発者: 90%
専門AIコーディングツールを利用: 74%
(AIコーディングアシスタント・エディタ・エージェント等、
ChatGPTなどの汎用チャットボットは除く)
→ 「AIツールを使わない」開発者はすでに少数派
専門ツールの採用が74%というのは、2025年同期(~40%)から大幅な伸びだ。この数値は汎用チャットボット(ChatGPTなど)の使用を除いているため、コーディングエージェント・IDEプラグイン・CLI型ツールなど開発ワークフローに特化したツールの実態を示している。
Claude Code:1年で6倍の急成長
調査の中で最も注目されるデータポイントが Claude Code の急伸だ。
| 指標 | 2025年4-6月 | 2026年1月 | 変化率 |
|---|---|---|---|
| 認知度 | ~10% | 57% | ~6倍 |
| 職場での利用率 | ~3% | 18% | ~6倍 |
これはGitHub CopilotやCursorと比べても突出したペースだ。Claude Codeはコマンドラインエージェントとして登場したが、2025年末から2026年前半にかけてVS Code拡張・JetBrains連携・Web UIが整備されたことで採用が加速した。
認知度が57%というのは「Copilotを知っている開発者の3人に1人強がClaude Codeも知っている」水準に達したことを意味し、もはやニッチツールではなくなっていることを示している。
GitHub Copilot:圧倒的シェアだが成長が止まった
GitHub Copilot の現状(2026年1月):
認知度: 76%(業界最高)
職場利用率: 29%(業界最高)
前年比:
認知度 → ほぼ横ばい(~75% → 76%)
利用率 → ほぼ横ばい(~28% → 29%)
依然として圧倒的トップだが、成長が実質的に止まっている。原因として考えられるのは以下だ:
プラン改訂の影響:4月20日の新規申込停止とOpus 4.7制限がユーザーの不満を高めた(別記事参照)。
エージェント体験の差:CopilotはIDEプラグインとして優秀だが、Claude CodeやCursorのようなターミナルエージェント・マルチファイルエージェントとしての体験では後れを取っているという声が多い。
コスト感覚の変化:月額$10(Pro)から$39(Pro+)への格差が広がり、ヘビーユーザーはコストパフォーマンスでClaude Code Max($100-200)やCursor($20)と比較検討するようになった。
その他のツールの動向
| ツール | 認知度 | 職場利用率 | 特記 |
|---|---|---|---|
| GitHub Copilot | 76% | 29% | 成長停滞 |
| Claude Code | 57% | 18% | 前年比6倍増 |
| Cursor | ~45% | ~15% | $50B評価で話題(既報) |
| JetBrains AI Assistant | ~40% | 9% | JetBrains IDEユーザーに浸透 |
| Junie(JetBrains) | ~20% | 5% | JetBrainsの新エージェント |
| OpenAI Codex | 27% | 3% | 認知度に比べ利用率が低い |
OpenAI CodexのAwareness/Usage比率(27%認知・3%利用)はコンバージョン率の低さを示している。認知はされているが日常使いには至っていない状況だ。
開発者はAIツールを何に使っているか
調査には利用目的の内訳も含まれている。
AIコーディングツールの主な用途(複数回答、2026年1月):
コード補完・インライン提案: 82%
コードの説明・質問: 76%
テスト生成: 68%
バグ修正・デバッグ支援: 65%
コードリファクタリング: 60%
ドキュメント生成: 58%
コード生成(ゼロから): 54%
エージェント型タスク実行: 31% ← 急増中
エージェント型タスク実行(自律的なファイル編集・コマンド実行・テスト実行)は31%と、まだ少数だが2025年比で最も成長率が高い用途になっている。Claude Code・Cursor・Codexの台頭はこのトレンドを反映している。
見落とされがちな示唆
「認知はされているが使われていない」状態から脱するのが難しい
Codexの例が示すように、認知度27%・利用率3%という乖離は大きい。既存ツールへのスイッチングコスト(ワークフローの再構築、習熟時間)が障壁になっている。
JetBrainsユーザー内での自社ツール採用は限定的
JetBrains IDEユーザー全体でみると、JetBrains AI Assistantの利用率9%・Junie 5%は決して高くない。自社製品であっても、ユーザーが日常的に使うメインAIツールとして定着させることの難しさが浮き彫りになっている。
90%採用でもワークフロー統合は道半ば
AIツールを「使っている」と答えた90%のうち、業務の大部分をAIに委ねているヘビーユーザーはまだ少数だ。多くの開発者にとってAIツールは「時々使う補助輪」であり、「毎日使う主要ツール」にはなっていない。
まとめ
JetBrains 2026年調査の最重要メッセージは2つだ。第一に、AIコーディングツールの採用はすでにメインストリームに達しており、「使わない」選択肢のコスト(競争力の低下)が高まっている。第二に、市場シェアは急速に流動化しており、Claude Codeの6倍成長に象徴されるように1〜2年で勢力図が変わりうる。
DevEcosystem Survey 2026の完全版は2026年秋に公開予定だ。
参考リンク
- JetBrains Annual Highlights 2026(2026-04-27)
- Which AI Coding Tools Do Developers Actually Use at Work?(JetBrains Research)
- State of Developer Ecosystem 2025(JetBrains、前年版)