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VS Code 1.117——Copilot BYOKでOpenRouter・Ollama・Google・OpenAIを直接接続、Claude CodeのエージェントCLI検出も追加

VS Code 1.117がCopilot BYOKを一般公開。OpenRouter・Ollama・Google・OpenAIなど任意APIキーでVS Codeチャットのモデルを切り替え可能に。Claude CodeのエージェントCLI検出も追加。

一言結論

VS Code 1.117のCopilot BYOKにより、Copilot Business/EnterpriseユーザーはOpenRouter経由で任意のLLMをVS Codeチャットで使用可能。管理者はGitHub.comポリシーで組織全体の利用プロバイダーを制御可能。Claude CodeとGemini CLIのターミナルエージェント検出機能も追加された。

VS Code 1.117の主な変更点

2026年4月22日、MicrosoftがリリースしたVisual Studio Code 1.117の目玉機能は2つだ。

  1. GitHub Copilot BYOK(Bring Your Own Key)の一般公開:Copilot Business/EnterpriseユーザーがOpenRouter・Ollama・Google・OpenAIなど任意のAPIキーをVS Codeに接続できる
  2. インクリメンタルチャットレンダリング:チャット応答がブロック単位でストリーミングされ、体感レイテンシが改善

いずれもAI開発ツールにおける「モデル選択の自由度」を大幅に拡大する変更だ。

BYOKとは何か、何ができるか

概要

BYOK(Bring Your Own Key)とは、Copilot Business/EnterpriseアカウントにGitHub以外のAIプロバイダーのAPIキーを紐づけ、VS CodeのCopilotチャットからそのモデルを直接使用する機能だ。

使用可能なプロバイダー(ビルトイン)

プロバイダー説明
OpenRouter100以上のLLMモデルへのゲートウェイ
Ollamaローカル実行のオープンソースモデル
Google AIGemini系モデル
OpenAIGPTシリーズモデル
+ 拡張機能Language Model Provider拡張で追加可能

設定方法(ユーザー側)

  1. VS Codeの設定(⌘,)を開く
  2. 「Copilot: Language Model Keys」を検索
  3. 対象プロバイダーのAPIキーを追加

BYOKはデフォルトで有効になっている。ポリシーで制限されていない限り、Copilot Business/Enterpriseプランのメンバーはすぐに利用開始できる。

// settings.json(例:OpenRouter経由でDeepSeek V4-Proを使用)
{
  "github.copilot.languageModelKeys": {
    "openrouter": "sk-or-v1-xxxxxxxxxxxx"
  }
}

管理者向けポリシー制御

組織の管理者はGitHub.comのCopilotポリシー設定から「Bring Your Own Language Model Key」ポリシーを設定できる。

GitHub.com → Your Organization → Settings → Copilot → Policies
  └── Bring Your Own Language Model Key
       ├── Enabled(デフォルト)
       └── Disabled(無効化する場合)

ポリシーを無効にすると、組織メンバー全員のBYOKが利用できなくなる。セキュリティ・コンプライアンス要件がある組織(金融・医療など)でのガバナンスに有効だ。

❌ → ✅ BYOKで何が変わるか

❌ 以前(1.116以前)
  VS Code Copilot → GitHubが承認したモデルのみ(GPT-4系)

✅ 1.117 BYOK有効後
  VS Code Copilot → OpenRouter経由で Claude・Llama・Gemini・Mistral等
                  → Ollamaでローカル qwen2.5:72b 等
                  → Google直接で Gemini 3.1 Pro 等

特にOpenRouterを設定すると、DeepSeek V4・Claude Opus 4.7・Llama 4など複数モデルを1つのAPIキーで切り替えられる。コスト最適化のためにタスクに応じてモデルを使い分けるワークフローが組みやすくなった。

インクリメンタルチャットレンダリング

チャット応答の表示方法も改善された。従来のタイマーベースのレンダリングから、ブロックが生成されるたびに即時表示する方式に変更された。

  • コードブロック・段落・リストなどが生成完了次第表示される
  • 長い応答でも冒頭部分がすぐ読める
  • アニメーション付きの流体的な表示(オプション)

Claude CodeのエージェントCLI検出

VS Code 1.117ではターミナル内のエージェントCLIの自動検出が追加された。対象:

  • Claude Code(Anthropic)
  • Copilot CLI(GitHub)
  • Gemini CLI(Google)

これらのCLIが検出されると、VS Codeはそれを通常のシェルとは異なる「エージェントシェル」として認識し、CLIが発行するOSCタイトルシーケンスをターミナルパネルのタイトルとして表示する。

ターミナルパネル(1.117以降):
  [Terminal 1] claude: Refactoring auth module...
  [Terminal 2] claude: Writing test cases...
  [Terminal 3] bash

複数のエージェントCLIを並行して実行している場合に、どのターミナルが何をしているか一目でわかる。

対象ユーザーと注意点

BYOKを使えるユーザー:

  • Copilot Business または Enterprise プランのメンバー
  • 個人向けCopilot Individualではまだ対応外

コスト面の注意:

  • BYOKで使用したAPIの費用は使用者自身のAPIプロバイダーアカウントに課金される
  • GitHubはBYOKで使用したAPIの内容にアクセスしない(公式ドキュメント記載)
  • Ollamaのローカルモデルは別途Ollamaのインストールが必要

企業利用の考慮点:

# チームごとのモデル利用コスト把握が重要になる
# 各メンバーが異なるAPIキー/プロバイダーを使うと
# 中央集権的なコスト管理が難しくなるため
# 管理者側でポリシーを設定することが推奨される

まとめ

VS Code 1.117のBYOKは「CopilotはUI、モデルは自分で選ぶ」という使い方を組織レベルで可能にする変更だ。OpenRouterを使えばDeepSeek V4のような低コストモデルも使えるため、AI開発コストの最適化に直接効く。エージェントCLI検出機能はClaude CodeやCopilot CLIを日常的に使う開発者にとって、ターミナル管理の利便性を高める実用的な改善だ。

参考リンク