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RedMonk言語ランキング2026年1月版:RustがDartに抜かれ20位、C#が4位に浮上

RedMonkがGitHub+Stack Overflowデータで算出する言語ランキングの2026年1月版が公開。Rustが20位に後退し、Dartが18位に躍進。C#はPHPと並ぶ4位に上昇。上位の顔ぶれはほぼ変わらず。

一言結論

2026年のランキングでRustは依然「最も好きな言語」だが、実際の使用量を反映するRedMonk指標では20位に後退した。DartのFlutter人気による台頭と、C#の着実な地盤固めが今回の最大の注目点だ。

RedMonk ランキングとは何か

RedMonk Programming Language Rankings は、アナリスト会社RedMonkが半年ごとに発表する言語人気指標だ。Stack Overflow の質問数と GitHub のプロジェクト数を組み合わせて順位を算出し、「実際に使われている言語」を示す指標として開発者コミュニティで広く参照されている。

Stack Overflow Developer Survey の「最も好きな言語」や TIOBE の「検索量」とは異なり、RedMonk は 実際のコードと質問の量 を組み合わせているため、実務での採用実態に近いとされる。

2026年4月14日に公開された「January 2026」版(半期ごとの発表なので4月に1月版が出る)の結果を整理する。

2026年1月 トップ20

順位言語前回比
1JavaScript
2Python
3Java
4PHP
4C#↑(+1)
6TypeScript
7CSS
7C++
9Ruby
10C
11Swift
12Go
13R
14Shell
14Kotlin
14Scala
17PowerShell
18Dart
18Objective-C
20Rust

注目の動き

C# が #4 タイに浮上

C# は前回の5位から1つ上げ、PHP と並ぶ4位に入った。.NET 9 のクロスプラットフォーム対応強化、Blazor による WebAssembly 展開、Azure との親和性の高さが GitHub でのプロジェクト数を押し上げている。

「JavaエコシステムのヘゲモニーはSpring Bootが維持しているが、エンタープライズ系の新規プロジェクトでC#が選ばれるケースが増えている」——これがRedMonkの分析だ。

Dart が Rust を追い越して18位

今回のサプライズは Dart の台頭だ。Rust(20位)を抜いてトップ20内に入った。

Dart の躍進の背景は明確で、Flutter によるモバイル・デスクトップ・Web のマルチプラットフォーム開発での採用増だ。Dart 単体のスタンドアロン利用は限定的だが、Flutter プロジェクトが GitHub で爆発的に増加しており、GitHub 側の指標を押し上げた。

Rust は20位に後退——しかし「愛されている」

Stack Overflow Developer Survey では Rust が連続で「最も使ってみたい・好きな言語」1位を維持しているが、RedMonk の実使用量指標では20位だ。

この乖離は何を意味するか:

Rust の現実:
  - 「好きな言語」ランキング: ずっと上位(開発者の憧れ)
  - 実使用量(RedMonk): 20位(まだニッチ)

  理由:
  ✅ システムプログラミング・組み込み・OS分野では急速拡大
  ✅ Linuxカーネルへの採用、AndroidのRust対応など公的採用が進む
  ❌ 学習コストが高く、一般的なWebアプリでは採用ハードルが高い
  ❌ エコシステムが成熟途上で、エンタープライズの既存システム置換が進まない

「RustはPythonやJavaScriptを置き換えない。C/C++を置き換える言語だ」というRedMonkの見立ては2026年も変わっていない。

上位は安定——JavaScript・Python・Javaの3強は不動

1位〜3位は JavaScript・Python・Java が固定。TypeScript が6位に定着しており、「JavaScriptプロジェクトのほぼすべてでTypeScriptが選ばれるようになった」という2025年の予測は2026年に現実となっている。

TypeScriptの実態(2026年):
  - Stack Overflowの「プロが使う言語」調査: TypeScript >> JavaScript
  - GitHub新規リポジトリ: TypeScript率が急増
  - 「素のJSで書く新規プロジェクト」はレガシー扱いが定着

開発者への示唆

キャリア観点

短期(1〜2年)で就職・転職を考えるなら、トップ10以内の言語への投資が合理的だ。

汎用性重視: JavaScript/TypeScript → 1位/6位、求人量最大
バックエンド強化: Python (#2) または Java (#3) → 求人・エコシステムが成熟
エンタープライズ特化: C# (#4) → .NET/Azure需要が根強い
モバイル: Swift (#11) または Dart (#18) → iOS特化かFlutterか

長期(3〜5年)でシステムプログラミングや WebAssembly など低レイヤーを狙うなら Rust は依然として有力だが、市場が小さいことは念頭に置く必要がある。

技術選定観点

新規Webサービス(スモール):
  JavaScript/TypeScript + Node.js or Python → 鉄板

新規Webサービス(エンタープライズ):
  Java (Spring Boot) or C# (.NET) → チームの経験次第

クロスプラットフォームモバイル:
  Flutter (Dart) → Flutterが成熟した今、React Nativeと互角以上

パフォーマンスクリティカルな処理:
  Go (#12) → Rustより学習コストが低く、実績も十分
  Rust (#20) → メモリ安全性が最優先なら

データサイエンス/AI:
  Python (#2) → 完全に確立、代替なし

注意点・限界

  • RedMonk のデータは GitHub + Stack Overflow の 量的指標 であり、質や成熟度は反映しない
  • GitHub でのプロジェクト数は「チュートリアルコード」も含むため、Dart/Flutter のような学習者が多い言語が過大評価される可能性がある
  • 企業のプライベートリポジトリは非公開なため、エンタープライズでの実際の採用は指標より多い可能性(特に C++ / C#)

まとめ

2026年1月版RedMonkランキングで「驚き」と言えるのは Dart の台頭と Rust の後退のみで、上位の顔ぶれは安定している。「JavaScriptが消える」「Pythonが終わる」という定期的に出てくる言説はデータに裏付けられず、既存の強者がより強固になる傾向が続いている。

Rust の健全な成長は「使用量20位」でも続いており、システムプログラミング・WASM・組み込みという本来の主戦場での採用は着実に広がっている。「好きな言語」と「採用される言語」の乖離を埋めるには、もうしばらく時間がかかりそうだ。

参考リンク