database
A
信頼度ランク
| S | 公式ソース確認済み |
| A | 成功実績多数・失敗例少数 |
| B | 賛否両論 |
| C | 動作未確認・セキュリティリスク高 |
| Z | 個人所感 |
RDS Multi-AZ vs リードレプリカ — 目的・フェイルオーバー・レプリケーション方式の違い
RDS Multi-AZとリードレプリカの根本的な違い、フェイルオーバー時間、同期/非同期レプリケーション、リードレプリカの昇格、クロスリージョンリードレプリカのDR活用を解説。
一言結論
Multi-AZは可用性のためにあり、スタンバイへの読み取りアクセスは不可でフェイルオーバー専用であるのに対し、リードレプリカは読み取りスケールアウトのためにあり非同期レプリケーションによるラグが発生するという根本的な目的の違いを混同してはならない。
根本的な違い:目的が異なる
Multi-AZとリードレプリカは目的が全く異なる。混同しないことが試験の基本だ。
| 特徴 | Multi-AZ | リードレプリカ |
|---|---|---|
| 主目的 | 可用性(HA・DR) | パフォーマンス(読み取りオフロード) |
| レプリケーション | 同期(スタンバイはプライマリと常に同一) | 非同期(わずかな遅延あり) |
| スタンバイへのアクセス | 不可(フェイルオーバー時のみ昇格) | 可能(読み取りクエリを向けられる) |
| エンドポイント | 同じエンドポイントが自動切り替え | 別エンドポイント(接続先変更が必要) |
| フェイルオーバー | 自動(60〜120秒) | 手動昇格(数分) |
| 用途 | 本番環境の可用性確保 | レポート、分析、読み取り分散 |
Multi-AZの仕組み
プライマリ インスタンス (AZ-a) ←→ スタンバイ インスタンス (AZ-c)
↓ ↓
すべての書き込みを同期レプリケーション
プライマリ障害時 → 自動フェイルオーバー
フェイルオーバーのトリガー:
- AZの障害
- プライマリインスタンスの障害
- OSのメンテナンス(AWSによるパッチ適用)
- ストレージの問題
フェイルオーバー時はDNSレコードが更新され、既存の接続は切断される。アプリケーションは同じエンドポイントに再接続するだけでよい。
# Multi-AZを有効にしてRDSインスタンスを作成
aws rds create-db-instance \
--db-instance-identifier my-prod-db \
--db-instance-class db.r6g.large \
--engine mysql \
--engine-version 8.0 \
--multi-az \
--allocated-storage 100 \
--master-username admin \
--master-user-password SecurePassword123!
RDS Multi-AZ Clusterとの違い
2022年以降、Multi-AZ Cluster(1プライマリ + 2リードスタンバイ)が追加された。
Multi-AZ DB Instance(従来):
プライマリ1台 + スタンバイ1台
スタンバイは読み取り不可
フェイルオーバー: 60〜120秒
Multi-AZ DB Cluster(新):
プライマリ1台 + リードスタンバイ2台(異なるAZ)
リードスタンバイは読み取り可能(Aurora的な機能)
フェイルオーバー: 35秒以内(より高速)
リードレプリカの仕組み
プライマリ → 非同期レプリケーション → リードレプリカ1
→ リードレプリカ2
→ リードレプリカ3
- 最大15個のリードレプリカ(Auroraの場合)、通常RDSは最大5個
- レプリカラグが発生する(通常数秒以内)
- 「セカンダリインデックスを作ってクエリを最適化する」等の用途
# リードレプリカの作成
aws rds create-db-instance-read-replica \
--db-instance-identifier my-db-replica-1 \
--source-db-instance-identifier my-prod-db \
--db-instance-class db.r6g.large
# クロスリージョンリードレプリカ(DR用)
aws rds create-db-instance-read-replica \
--db-instance-identifier my-dr-replica \
--source-db-instance-identifier arn:aws:rds:ap-northeast-1:123456789012:db:my-prod-db \
--region ap-northeast-3 \
--db-instance-class db.r6g.large
リードレプリカのプライマリ昇格
リードレプリカをプライマリとして昇格できる。DR時に使用する。
# リードレプリカをスタンドアロンDBに昇格
aws rds promote-read-replica \
--db-instance-identifier my-db-replica-1
昇格前の注意事項:
- バックアップを有効化することでリードレプリカのポイントインタイムリカバリが可能
- 昇格後はソースDBとの関係が切れ、独立したインスタンスになる
バックアップ設定との関係
Multi-AZの場合:
自動バックアップはスタンバイ側から実施(プライマリのI/O影響なし)
リードレプリカの場合:
リードレプリカに自動バックアップを設定することでソースDBへの影響を減らせる
ただしリードレプリカのバックアップはデフォルト無効
RDSとAuroraのレプリカ比較
RDS(MySQL/PostgreSQL等):
- バイナリログ(binlog)ベースのレプリケーション
- リードレプリカ最大5つ
- フェイルオーバーに数分かかる
Aurora:
- 共有ストレージアーキテクチャ(ログ転送のみ)
- リードレプリカ最大15つ
- フェイルオーバー30秒以内
- リードレプリカ自動フェイルオーバー昇格
試験頻出ポイント
| シナリオ | 回答 |
|---|---|
| AZ障害時の自動復旧 | Multi-AZ |
| 読み取りクエリの負荷分散 | リードレプリカ |
| Multi-AZスタンバイに読み取りクエリを送れるか | 不可(フェイルオーバー時のみ) |
| 別リージョンにDRを構築 | クロスリージョンリードレプリカ |
| 昇格後もソースDBと同期を続けるか | しない(独立したインスタンスになる) |
| フェイルオーバーはどれくらいかかるか | 60〜120秒(DNSのTTL含む) |
まとめ
Multi-AZは「可用性(HA)」のためにあり、リードレプリカは「パフォーマンス(スケールアウト)」のためにある。Multi-AZのスタンバイには読み取りアクセスできないことと、リードレプリカのレプリケーションが非同期(データ遅延あり)であることが試験の核心ポイントだ。